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ディパーテッドとインファナル・アフェア [香港 映画]

先週末に、ハマってしまった香港映画 インファナル・アフェア3部作を鑑賞したのち、ハリウッドリメイク版の「ディパーテッド」もレンタルして鑑賞しました。

見終わった感想は、なんとも、薄っぺらい映画になってしまったなぁ。。。という印象です。

リメイクに偽り無し。全く別の映画になってました。。。そして割り切ればいいものの、中途半端にインファナルのシーンを取り入れて、さらに微妙な感じ。。。

普通に楽しめる映画ではあります。ただ、ディパーテッドを最初に見れば、また違った印象だったかもしれませんが、最初にインファナル・アフェアを見た自分にとっては、どうしても原作と比較してしまいます。

薄っぺらく感じた原因は、人間関係、心理的な描写、そして緊迫感の演出の弱さです。

インファナルでは、ウォン警視と潜入捜査官のヤンとの間に形成された親子にも似た信頼関係が丁寧に描かれています。そのため、ウォン警視の死のシーンでは、ヤン(トニーレオン)の表情から、親の死を目の当たりにした子のような悲しみが伝わってきました。見ていて感情が揺さぶられ、涙したシーンでもあります。

しかし、ディパーテッドでは、この場面。何も感じないのです。

上司である警部がディカプリオ扮する潜入捜査官ビリーが泣き叫ぶものの、共感ではなく、むしろそこからは、「オレをこんな目に合わせて、先に死にやがって。オレはこの先どうなんだよ!!」という自分のことしか考えていない主人公の性格を感じてしまいます。

また、インファナルでは、警察に潜入したマフィア ラウの悪と正義の狭間で揺れ動く心の葛藤が表現されていました。しかし、ディパーテッドでは、警官コリン(マッド・デイモン)は、単なる殺人鬼と化しています。目撃者と勘違いした通行人を刺したり。最後のエレベーターのシーンには、何の感情も感じられません。

緊迫感の欠如は、警察に潜入したマフィアのコリン(マッド・デイモン)からほとんど、「自分の正体がバレるかも。」という緊張感が感じられなかったからです。表情が無い。。。

インファナルでは、いつでも自分がマフィアであることがバレているかもということを常に意識している緊張感がありました。ボスのサムを殺害した後でも、ラウが警察署に入る場面では、ラウを無言で見つめる職場の冷たい視線に対し、一瞬「バレたのか!」という表情など、最後まで緊迫感を保っています。

また、下ネタのオンパレードで、下品な作品に仕上がってしまっているのも残念です。とくにギャングの親分コステロ、やりすぎです。オリジナルのインファナルもこんなに下品と勘違いされたらちょと嫌です。

このちょっと品の良いとはいえないディパーテッドが、アカデミー賞の作品賞、さらに脚色賞を受賞しているのは、ちょっと驚きです。今年のアカデミー賞の授賞式が非常に素晴らしかったので、余計に。。。

分かりやすく単純なストーリーに脚色した点は、ハリウッドのエンターテイメント作品として考えると、アメリカでは支持されやすいのかなと思います。

オリジナルを見ていなければ楽しめる映画ではあると思うので、これを見る際は必ずインファナルの前に見ることをオススメします。




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